船員の仕事とは

SAILOR JOB

背景

船員(船乗り)の仕事とは?
年収やボーナスや仕事内容まで徹底解説!

SAILORS JOB

マリンライフ

船に乗って働く職業は「船員」と呼ばれます。
船は、

  • 海外への航行をする「外航船」
  • 国内を航行する「内航船」
の2種類に分けられます。
船の大きさや航海の範囲によって、乗り組む船員の資格や定員が決められています。

また、船員は大きく分けると、「職員」と「部員(クルー)」の2種類があります。

職員

法律で定められた国家試験に合格し「海技資格」を持っている船員

  • 船長
  • 機関長
  • 航海士
  • 機関士

など

部員

職員を補助する仕事をする船員

  • 甲板員(こうはんいん)
  • 機関員
  • 司厨員(しちゅういん)
  • 事務部員

など

このページでは、船員(船乗り)の仕事とは?の疑問にお答えするために、船員の仕事内容や、年収・ボーナス、年齢層など、詳しく解説します。

船乗りになるには

船乗り(船員)になるには?

給料や待遇、未経験や30代からでも可能?などを解説

船員(船乗り)の月給、給与、ボーナスは?

2022年(令和4年)の調査結果によると、船員の月収とボーナスは、内航船と外航船で、それぞれ以下の通りです。

内航船の月収・ボーナス・年収

月収:459,928円
ボーナス:702,469円
年収:6,221,605円
※年齢46.5歳、経験年数20.6年

外航船の月収・ボーナス・年収

月収:622,725円
ボーナス:1,764,261円
年収:9,236,961円
※年齢39.2歳、経験年数13.9年

内航船の年収が約620万円、外航船の年収が約920万円と、外航船の年収のほうが300万円ほど高いようです。

1人1か月当たり平均報酬額及び年間当たり平均特別報酬額(日本人船員)
ア.内  航
内航船舶に乗り組む日本人船員の令和4年6月分の「きまって支給する給与」は、459,928円(年齢46.5歳、経験年数20.6年)で、このうち「定期払いを要する報酬」は396,827円、「割増手当・夜間割増」は63,101円であった。そのほか「航海日当」20,493円、「その他の手当」47,570円であった。
また、昨年1年間の「年間賞与その他特別に支払われた報酬」は702,469円であった。

イ.外  航
外航船舶に乗り組む日本人船員の令和4年6月分の「きまって支給する給与」は622,725円(年齢39.2歳、経験年数13.9年)で、このうち「定期払いを要する報酬」は571,524円、「割増手当・夜間割増」は51,201円であった。そのほか「航海日当」38,658円、「その他の手当」136,293円であった。
また、昨年1年間の「年間賞与その他特別に支払われた報酬」は1,764,261円であった。

引用:https://www.mlit.go.jp/k-toukei/senrou.html 内の「1号調査(指定船舶)・3号調査(特殊船)」

船員(船乗り)の労働時間・休日は?

2022年(令和4年)の調査結果によると、船員の労働時間と休日・休暇は、内航船と外航船で、それぞれ以下の通りです。

内航船の労働時間・年間休日

労働時間:8.74時間(1日)
月平均時間外労働時間:14.6時間
休日・休暇:103.0日
有給休暇:13.9日

外航船の労働時間・年間休日

労働時間:10.52時間(1日)
月平均時間外労働時間:17.2時間
休日・休暇:135.6日
有給休暇:20.9日

外航船の方が1日の労働時間が長い一方、休日・休暇の日数は内航船よりも多いようです。

ア.内  航
内航船舶に乗り組む日本人船員の令和4年6月分の「月間総労働時間」は174.8時間であった。また、昨年1年間の「時間内労働時間」は1691.2時間、「時間外労働時間は176.0時間、「補償休日労働時間」は48.8時間、「有給休暇」の取得日数は13.9日、「休日・休暇」は103.0日であった。

イ.外  航
外航船舶に乗り組む日本人船員の令和4年6月分の「月間総労働時間」は210.4時間であった。また、昨年1年間の「時間内労働時間」は1345.2時間、「時間外労働時間は206.3時間、「補償休日労働時間」は92.8時間、「有給休暇」の取得日数は20.9日で、「休日・休暇」は135.6日であった。

引用:https://www.mlit.go.jp/k-toukei/senrou.html 内の「1号調査(指定船舶)・3号調査(特殊船)」

※「1日の労働時間」は月間総労働時間÷20日で算出、「月平均時間外労働時間」は年間時間外労働時間÷12ヶ月で算出。

船員(船乗り)の人数と年齢層は?

2021年(令和3年)の調査結果によると、船員の人数内訳は以下の通りです。

内航船:28,435人
外航船:2,174人
漁業船員:17,469人
その他船員:15,718人
船員数合計:63,796人

また、内航船と外航船の年齢構成は、以下のとおりです。

内航船の年齢構成

外航船の年齢構成

引用:https://www.soumu.go.jp/main_content/000727908.pdf 内の「1号調査(指定船舶)・3号調査(特殊船)」

内航船では30代以下が34.5%、外航船では60.6%と、特に外航船では若い世代の比率も多いようです。

船員(船乗り)の職種ごとの仕事内容は?

船員の職種は、大まかに

  • 船の運航を担当する「航海士」
  • エンジンの管理を担当する「機関士」
  • 食事を管理する「司厨員」その他「事務部員」

にわけることができます。
船の最高責任者である「船長」がこれらの仕事を管理・監督します。

船長

船舶運航の最高責任者(キャプテン)。一級海技士免許の資格が必要です。
船内を取り仕切る仕事。乗組員に指示を出し、安全で効率的な運航を行います。
船長の職務や責任は法律(船員法)で詳細に定められており、航路を管理する船員・船の機械を管理する船員・船の通信を担当する船員などの乗組員を指揮し、船内の秩序を維持する権限を与えられています。

船の運航を担当する「航海士」

航海士

船の運航や整備を行う仕事で「海技士免許(海技免状)」の資格が必要な職種です。
航海士には、一等から三等までの等級があり、等級によって業務内容が異なります。高い等級の航海士には、高度な海技免状が必要です。
例えば、船の大きさや区域によって、船長には一級海技士免許、一等航海士には二級海技士免許などが必要な場合があります。(航行区域や船の大きさによって異なります。)
大きな外国航路を航行する船では、一等から三等航海士が乗り組みますが、船の大きさや航路によっては、船長や一等航海士だけが乗船する場合もあります。

甲板員

航海士の指示に従って、見張りや舵取り、荷物の積み下ろしなどを行う仕事です。
チームは主に、リーダーの甲板長、甲板手、甲板員などで構成されます。
甲板長は、甲板部員全体を指揮・管理します。
甲板手は、航海士の見張りや操船を手伝い、停泊中には船の出入り口を見張る役割と、甲板長の補佐役を務める役割などがあります。

エンジンの管理を担当する「機関士」

機関長

船を動かすエンジンや他のさまざまな機械・装置の運転と管理を行う仕事で、「海技士免許(海技免状)」の資格が必要な職種です。
船を動かすためのエンジンだけでなく、発電機やボイラー、冷蔵庫など、機関部はさまざまな機械を管理しています。

機関士

機関長の指示を受け、機関員を指揮しながら、エンジン(主機関)、発電機、ボイラー、その他の各種機器の管理を行う仕事で、「海技士免許(機関)」の資格が必要な職種です。
機関の運転に関する計測記録を分析し、故障の防止に努めます。定められた時間に機関室を巡回し、機関部分の運転状況を点検します。
また、燃料や備品、消耗品の補給を行い、次の航海に備えます。

機関員

機関士の指示を受け、船を動かすメインエンジンなど、船内のあらゆる機器の運転・点検・整備などを行う仕事です。

食事を管理する「司厨員」

司厨員(しちゅういん)

他の船員の食事を担当する仕事です。
1日3回、乗組員のために食事を調理します。栄養バランスの良い食事を提供し、乗組員の健康を支えることが重要です。
決められた予算内で食材を購入し、船内で衛生的に管理するのも大切な仕事です。

甲板員と航海士の違いは?

船員(船乗り)の職種は?」でも解説していますが、甲板員と航海士はいずれも、船の運航を担当する仕事です。
航海士は「海技士免許(海技免状)」の資格が必要な職種で、一等から三等までの等級があり、等級によって業務内容が異なります。

甲板員は資格がなくてもなれる職業です。
階級としては「船長、航海士(一等〜三等)、甲板員」となり、給与も船長から順に高くなります。

船長・航海士と甲板員の給与の目安

船長:月45万円
一等航海士:月40万円
二等航海士:月35万円
三等航海士:月30万円
甲板員:月20万円

※上記は目安であり、実際の給与は企業によって異なります。

船員(船乗り)の1日の流れは?

1日の仕事の流れは、所属する企業、乗船する船、職種によって異なります。

様々な企業が、自社の社員の「主な1日の流れ」を紹介しています。
以下に、各企業が紹介している1日の流れをいくつかピックアップしてみたので、リンク先ページの内容を参考に、比較してみてください。

未経験で船員になるには?

未経験から船員になるために「海技士養成講習(六級一種)」の講習を受ける方法があります。

海技士養成講習(六級一種)とは、船乗り(船員)としての経験がない未経験の人が、「6級海技士」の国家試験を受験するために受講する海技士養成講習のことです。

  1. 1海技士養成講習(六級一種)を受講する(4.5ヶ月)
  2. 26ヶ月の乗船履歴をつける(実務経験を積む)
  3. 36級海技士の資格を取る
  4. 4働きたい船の種類や乗船期間を決める
  5. 5条件に合う船員の求人情報を探して就職する

海技士養成講習(六級一種)が受講できる場所・日程

日本海洋資格センターが実施する海技士養成講習(六級一種)は、

  • JML関西事務所(兵庫):兵庫県西宮市西宮浜1-31
  • JML九州海技学院(熊本):熊本県宇城市三角町三角浦1193番地

の2箇所での受講が可能です。

4.5ヶ月の講習ですので自宅から通うのではなく、近くに手配された宿泊所に住みながら受講するケースがほとんどですので、全国各地から受講生が来ています。

講習の日程は、毎年

  • 4月〜9月
  • 5月〜10月
  • 7月〜12月
  • 9月〜2月
  • 10月〜3月

などの日程で開催しています。

各区会場の詳しい日程については、海技士養成講習(六級一種)のページからご覧ください。
(そのまま、申込みいただくことも可能です)